ダリ語の母音・長母音

今日は金曜日で週末だ。最近は天気が悪く、舗装されていない道路はドロドロになっている。

ところで、ダリ語レッスンを週3回のペースで続けている。今は、絵本を元に文字の読み書きと会話の勉強をしているが、一つ問題を抱えている。

それはダリ語の母音・長母音の発音に関して。日本語だと平仮名と片仮名を見れば、どういう音なのかがわかるが、ダリ語の文字だけを見ても音がはっきりとは僕にはわからないのだ。

例えば、黄色という意味の「ザルト(ゼー+レー+ダール)」をダリ語で見た場合、「ザラト」と読めなくもないと個人的には思う。しかし、ザラトでは間違いなのだ。ラの音がaではなくuにならないといけない。文字一つ一つには音があっても、単語になると音はその時々に応じて変化するということなのだろうか?

先生の長母音の教え方もイマイチよくわからない。一つの文字に、

「アレフ」をつけると、「音が↑(up)になる」 
「ワウ」をつけると、「音が→(forward)になる」
「イヨ」をつけると、「音が↓(down)になる」※
※先生は、upをボーロー、forwardをペシュ、downをポイン、とそれぞれダリ語で表現する。

と説明してくれるのだが、音がアップとかダウンとか前へとか言われてもよくわからない。抑揚の付け方の説明だというのならよくわかるのだが、音が上へ行く、前へ行く、下へ行くという表現が感覚としてよくわからないのだ。

「アレフがつくとahの音、あるいは、ohの音になるということですか?」

と聞いても、

「アレフがつくと音が↑に行くのです」

としか答えてくれない。その↑と言うのがわからん!

「それでは、『ホーラ(おばさん)』の音は『ヘー+アレフ+ラーム+エードンバッグ』ですけど、『フーラ』と、気持ちを↑向きに発音してはいけないんですか?

と聞いてみると、

「『フーラ』だと音が→に行っているでしょう」

と叱られてしまう。「フーラ」だと母音がuhになっているから間違いだと説明してくれるのなら理解できるのだが、→だから間違いだというのがわからないんだよなぁ・・・。→だから間違いなのだったら、「フーラ」の音のまま↑な感じで発音しても文字だけ見たら間違いではないのではないか、と僕は思ってしまう。

他にも、「ワウ」をつけても母音がuhになることもあるしohになることもある。「イヨ」をつけても、音がihになることもあればehになることもある。だから、僕には文字だけ見ても発音がわからず、片仮名かローマ字で脚注をつけることになる(しかし片仮名だと存在しない喉からの音があるので○をつけて分けたりする)。

この問題は単語量を増やすことで解決するしかないのか??もし、そうだとしたら、数千年後に仮にペルシャ語とダリ語を話せる人がこの世から絶滅したとして、その時代にダリ語の本が土中から発掘されたとしても、一つの文字が二つの音になり得るわけだから正しい発音は誰にもわからないということになるのかもしれない。

例えば、「シィーン+イヨ+レー」は「牛乳」の意味だと「シィール」の音になるが、「獅子」の意味だと「シェール」の音になるが、文字だけ見たら「シィール」と読み取れる。そうしたら、その時代には「獅子」の発音も「シィール」で固定されてしまうのではないのだろうか。

今から数千年後のことが一人で心配だ。



2009年12月11日:Generalkenta

Comments

ゆうこさん:2009年12月13日

はじめまして、いつも楽しく拝読しています。私はダリ語ではないですが、ウルドゥー語でケンタさんと同じ問題にぶつかっています。どのパキスタン人の先生に聞いても納得のいく回答は得られませんでしたが(というか質問の意味自体が理解されなかった)、結局、母音は各単語で覚えるしかないのだそうです。おそらくパキスタン人でも知らない単語などがでると、その母音に困っているのだと思います。ですので、ウルドゥー語では、子音に4つの母音記号をつけるみたいです。でも本や町の看板など、どれもこの母音記号が省略されるのが一般なので、難しいです。

kentaさん:2009年12月13日

ゆうこさん、コメントありがとうございます。

ウルドゥー語も文字を見ただけでは母音がわからないんですか。母音記号・・・、見たことがあるような気がしますがアフガニスタンでも一般的には使われてないです。やはり単語量を増やしていくしかないみたいですね。

しかし、まだ、上、前、下の謎が解けないです。バー、ブー、ビーと発音してみると、口の形が上、前、下になってるような気もします・・・。どうなんでしょう。

ゆうこさん:2009年12月14日

長母音に関してupとかdownの説明は私にもよく分からないのですが、ウルドゥー語の長母音に関していえば、子音にアリフが着くと「アー」になりますし、ワオが着くと「ウー」、イエが着くと「イー」とあります。例えば、ラームにアリフが着くと「ラー」といった感じです。
ちなみに、ウルドゥーでは、ペーシュというのは母音記号の「ウ」のことです。

すみません、ダリ語とはもしかしたらまったく違うのかもしれないのに、タラタラと説明してしまって。

kentaさん:2009年12月15日

ゆうこさん、ダリ語もウルドゥ語と同じ規則で長母音になると思うのですが、「アー」が「オー」に聞こえたり、「ウー」が「オー」に聞こえたり、「イー」が「エー」に聞こえることがあります。これはひょっとしたらペルシャ語には余りないダリ語の地域的な訛りもあるかもしれません。

>ちなみに、ウルドゥーでは、ペーシュというのは母音記号の「ウ」のことです。

これには驚きました。「ペーシュ」はダリ語で「前へ」の意味です。「ペーシュ・ボロ」で「まっすぐ行って」というような意味になります。「ウ」がウルドゥ語で「ペーシュ(前へ)」というのは、私のダリ語の先生が言うことと似ていて興味深いです。

miriyunさん:2010年01月02日

アラビア語でも苦労しています。クルアーンをつくった理由も人によって異なる発音で覚えてしまうので、クルアーンだけは発音記号をきちんとつけて、世界中誰が読んでも同じに読めるようになっています。でもほとんどの店や商品も、新聞も発音記号がないので、単語量を増やして読み慣れないと読めません。
 私のようにアラビア語を途中で挫折したものにとっては知っている語しか読めないという困った存在です。
 この母音に関する問題、基本はeとoの音がないという点はヒエログリフ以来続いていますので、ヒエログリフ学者もこうよんでいたのだろうというように推察で成り立っていると聞いています。実際ヒエログリフもアラビア語由来の言語もイ・ウとエ・オが一緒で実にわかりにくいですね。
 実用としてつかっていらっしゃるkentaさんは本当に大変だと思います。その上へ、下へというのを理解できたら又教えてくださいね。

kentaさん:2010年01月02日

miriyunさん、なるほど悩んでいたのは私だけではないのですね。母音記号がダリ語にはありませんので、単語量を増やして覚えるしかないみたいです。先は長い・・・。

上へ、前へ、下へがわかったらまた連絡します。

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