カブールでの同時多発テロ
昨日1月18日、カブール市内で、大統領官邸、財務省、中央銀行、セレナホテル、ショッピングセンター等をターゲットにした同時多発テロが発生した。タリバンの犯行声明によれば、20人ほどの武装兵がカブール市内に送り込まれたということだ(一応、僕は無事ですので心配しないで下さい)。
アフガニスタンでは、カルザイ政権樹立後も治安が回復せず中央政府の正当性が疑問視されていることから、タリバンを含む反政府勢力を排除したことが誤りだったのではないかという認識が広がりつつある。もっぱらキーワードになっているのは、反政府勢力との「和解」と「再統合」の2つの言葉で、ドナー国の関心が高まっているのを感じる。
しかし、昨日の事件を見ていて、中央政府やドナー国が和解しようとしているのはこの事件を起こした人達なのだということを改めてしみじみと思った。これは誇張を抜きにしても一朝一夕に成し遂げられることではない。ましてや、政治的和解の後に来るべき、元タリバン兵の社会再統合事業をちゃんと開始できのなんて、かなり先のことになってしまうかもしれない。
日本は「元タリバン兵への職業訓練」に今後力を入れていきますと発表しているが、紛争の分析をしっかりと行わず、日本のアフガン援助の世界への見せ方に関して議論しないままにタリバンとの和解に干渉していくと「テロとの戦い」の文脈に巻き込まれていく可能性は否定できない。
そもそも、アフガニスタンの紛争に関しても色々な見方がある。ここではどれが正しいかという意見を述べるつもりはないが、同じ現象でも人によって見方が色々あるということだけでもわかるように並べてみようと思う。
・アメリカ VS テロリスト (テロとの戦い)
・イスラム世界と西欧世界の対立 (文明の衝突)
・旧ソ連侵攻時代に育った「自由の戦士」のネットワーク (歴史的文脈)
・隣国の利害 VS アフガニスタンの独立 (地域の政治力学)
・Islamic Republic of Afghanistan VS Islamic Emirates of Afghanistan (政治的グリーバンス)
・国家主義 VS イスラム原理主義 (イデオロギーの戦い)
・非パシュトゥン人 VS パシュトゥン人 (民族間の戦い)
・紛争の根本原因としての貧困 (貧困)
これらの内のどれか一つが正解であるということはあり得ないと思う。現実は一つの物差しで測れるほど平面的な形状はしておらず、むしろ様々な方向に向かういくつもの力のベクトルが複雑に交差し、分かち難く絡み合い、立体的な構造物を形作っているというのが正直なところだろうと思う。しかし、どれか一つが原因に違いないと思い込みながらプロジェクトを形成しているケースがどれほど多いことか!
日本も、正しい現状認識がないままに大規模な関与をしていくと、恐ろしい結果が待っているかもしれない。ここは慌ただしい決断はせずに、大局を見て議論を出し尽してから冷静に進むべきだと僕は思うのだが・・・。
アフガニスタンでは、カルザイ政権樹立後も治安が回復せず中央政府の正当性が疑問視されていることから、タリバンを含む反政府勢力を排除したことが誤りだったのではないかという認識が広がりつつある。もっぱらキーワードになっているのは、反政府勢力との「和解」と「再統合」の2つの言葉で、ドナー国の関心が高まっているのを感じる。
しかし、昨日の事件を見ていて、中央政府やドナー国が和解しようとしているのはこの事件を起こした人達なのだということを改めてしみじみと思った。これは誇張を抜きにしても一朝一夕に成し遂げられることではない。ましてや、政治的和解の後に来るべき、元タリバン兵の社会再統合事業をちゃんと開始できのなんて、かなり先のことになってしまうかもしれない。
日本は「元タリバン兵への職業訓練」に今後力を入れていきますと発表しているが、紛争の分析をしっかりと行わず、日本のアフガン援助の世界への見せ方に関して議論しないままにタリバンとの和解に干渉していくと「テロとの戦い」の文脈に巻き込まれていく可能性は否定できない。
そもそも、アフガニスタンの紛争に関しても色々な見方がある。ここではどれが正しいかという意見を述べるつもりはないが、同じ現象でも人によって見方が色々あるということだけでもわかるように並べてみようと思う。
・アメリカ VS テロリスト (テロとの戦い)
・イスラム世界と西欧世界の対立 (文明の衝突)
・旧ソ連侵攻時代に育った「自由の戦士」のネットワーク (歴史的文脈)
・隣国の利害 VS アフガニスタンの独立 (地域の政治力学)
・Islamic Republic of Afghanistan VS Islamic Emirates of Afghanistan (政治的グリーバンス)
・国家主義 VS イスラム原理主義 (イデオロギーの戦い)
・非パシュトゥン人 VS パシュトゥン人 (民族間の戦い)
・紛争の根本原因としての貧困 (貧困)
これらの内のどれか一つが正解であるということはあり得ないと思う。現実は一つの物差しで測れるほど平面的な形状はしておらず、むしろ様々な方向に向かういくつもの力のベクトルが複雑に交差し、分かち難く絡み合い、立体的な構造物を形作っているというのが正直なところだろうと思う。しかし、どれか一つが原因に違いないと思い込みながらプロジェクトを形成しているケースがどれほど多いことか!
日本も、正しい現状認識がないままに大規模な関与をしていくと、恐ろしい結果が待っているかもしれない。ここは慌ただしい決断はせずに、大局を見て議論を出し尽してから冷静に進むべきだと僕は思うのだが・・・。











Comments
orientlibraryさん:2010年01月21日
紛争の見方、たしかに上の見方のどれも読んだり聞いたりしたことがあるような気がします。歴史や政治や様々なことが複合して、ものすごく複雑なことになっているのでしょうね。一色の視点からの対策は難しいということなのかと思いました。
今年のカレンダーは、ペシャワール会の甲斐さんの絵のものです。アフガニスタンの光景を毎日見ています。
今年は日本も寒いですが、kentaさんもくれぐれもお体ご自愛くださいね。
kentaさん:2010年01月22日
ご心配おかけしてすみませんでした。健康と安全には気をつけて頑張ります!
Add coments