プロローグ
中華人民共和国にタジク自治県(塔吉克自治県)があることを皆様はご存じだろうか?
タシュクルガン・タジク自治県と呼ばれるその場所では、中国の領土内でありながらタジク人が生活を営んでいるという。
その県はタジキスタン・アフガニスタン・パキスタンに国境を接するという著しく辺境の場所にあり(中国の視点から見ればの話だが)、
中国の西の果てと言われるカシュガルから更に車で6時間行かなければならないという。
タシュクルガンは小ぢんまりとした美しい街だった。
そこには、確かにペルシャ語を話さないタジク人が居住し、彼らは漢族やウイグル族やキルギス族と交わりながら日々の生活を送っていた。
今回の旅は、国家(state)とは何か、民族(nation)とは何か、そして近代とは何かという疑問と格闘する旅だったと言えるかもしれない。
多くの困難にも直面したが充実していた今回の中国新疆ウイグル自治区旅行記について、少しずつ記録を書いて行きたいと思う。
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