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■旅行記

トルコ旅行記

2010年11月17日(水) 第二日目 ボスポラス海峡クルージング、ガラタ塔

 時差があるせいか、夜中に何度も目を覚ました。朝6時になったらもう起きてしまって、思い立って海岸沿いを散歩することにした。 朝の静謐とした雰囲気の街には人はほとんどおらず、猫があたかもここの住人であるかのように道の端から顔をのぞかせている。

 海岸まで出てみると大きな船がマルマラ海を行き来していて、釣り人が糸を垂らしている。汽笛の音を聞きながら写真を撮るなどした。

cat
↑君は何処へ行くのかねと尋ねる猫





cat2
↑朝の街は猫の街だ。





sunrise
↑マルマラ海の日の出。





sunrise

↑日の出の様子。

 宿に戻って午前8時から朝食。屋上にあるバルコニーで食べるので気持ちがいい。 手作りのジャムやマーマレードがあったりして嬉しいが、 コンチネンタル・ブレックファーストなのでパンの他にはゆで卵やバターなど軽いものだけだった。 トルコのパンはスカスカで美味しいには美味しいが余り食べたような気がしないのは僕だけだろうか。

balcony

↑屋上のバルコニー。景色がよくて気持ちいい。





breakfast
↑あまり乳製品は食べないので、朝食は限りなく質素になる。

 今日はボスポラス海峡クルージングに参加するつもりでいたので、 朝9時にはホテルを出発してスルタンアフメット駅からトラムに乗った。 埠頭からの船の出発時刻は午前10時35分で余裕があるのだが、 船ばかりは出発してしまうとどうしようもないので早めに行くことにした。

 行きしなに若いトルコ人から「日本人ですか?何してるの?」と声をかけられたので警戒していたが、 話してみると何の事はなくただの気のいい日本に住んだことのある兄ちゃんだった。 前のインド旅行では痛い目に合ったので警戒し過ぎてしまったようだ。悪い人だと疑った自分が少しだけ嫌になった。

 エミノニュ駅に到着すると少し川沿いを散歩してから25リラ(約16.2ドル)を払って待機した。

river
↑船着き場の近くから撮影。釣りをする人の奥にはガラタ塔が見える。





kebab
↑街の至る所で見られるドネル・ケバブ。

 船は予定通り午前10時35分に出発。このクルージングはゴールデン・ホーンの付け根にあるエミノニュ埠頭から、 ボスポラス海峡を北上してアジア側にあるシーフードで有名なアナドル・カヴァウという場所でお昼休憩をし、 午後に南下して出発した場所まで戻って来るという一日がかりのツアーだ。 いきなり、イスタンブール内にある観光名所を一カ所一カ所回っていくよりも、 最初に船から街を眺めて全体の傾向を掴んだ方が良いだろう。しかも、ボスポラス海峡クルージングには絶対に参加したかった。

 ボスポラス海峡は偉大だ。何故ならヨーロッパとアジアを文字通り分断している場所だからだ。 ユーラシア大陸のユーロとアジアを分けているまさにその世界の境目なのだ。ボスポラス海峡を目の辺りにするということは、 歴史の境目を目の当たりにする程の事に匹敵すると僕は思うのだ。

ユーラシア=ユーロ/アジア
Eurasia=Eur/asia

図式で書くと上図のようになる。上の「/(スラッシュ)」が正にボスポラス海峡なのだ。 ヨーロッパ人にとって「ヨーロッパ/非ヨーロッパ」たらしめるもの、 そしてアジア人にとって「アジア/非アジア」たらしめるものの正体がボスポラス海峡なのだ。 今まさに世界を分節する区切りを目の当たりにしている興奮が体に広がっていくのを感じていた。

strait
↑船の上からヨーロッパ側を撮ったところ。





strait2
↑ヨーロッパ側から見えた建物。





chai
↑途中、船上でチャイの休憩を取る。





europe
↑ヨーロッパ側の土地。





eurasia
↑向かって右側がアジア側、左側がヨーロッパ側。橋が架かる。





station
↑お昼休憩を取るアナドル・カヴァウ駅。

 午前10時35分に出発して、お昼の12時20分頃にアジア側にあるアナドル・カファウに到着した。 一通り写真も撮ってチャイも飲んで、座っていたらお腹が空いた。

fish
↑シーフード・レストランが立ち並ぶ。





mussel
↑名物のムール貝のフライ。





saba
↑サバ・サンドに使うサバ焼き。





mussel2
↑レストランに入って注文したムール貝のフライ。ムール貝は蒸した方がいいかも。





aji
↑こちらもお昼に注文したアジみたいな魚の焼き物。





coffee
↑食後に飲んだターキッシュ・コーヒー。

 たっぷり午後3時まで休憩した。休憩場所のシーフードは美味しかったが、 レストラン以外には特に何もアトラクションはなく1時間ほどでランチを食べ終えてしまうと特にすることはなかった。 アナドル・カヴァウはこのボスポラス海峡クルージングの休憩場所に選ばれてから有名になった場所だからなのか、 他には訪れる場所も特になかった。料理は美味しかったが、ムール貝の揚げ物はそれほど好きにはなれなかった。 ムール貝は白ワイン蒸しにする方が美味しい。サバ・サンドも有名だから食べようかと思ったが味が想像できるのでやめておいた。 午後3時船は帰路に向けて出発した。

fog
↑霧がかかるボスポラス海峡。





seagull
↑かもめ。





bridge
↑橋の下から。





mosque
↑名前はわからなかったが、美しいモスクだった。







sunset
↑夕焼けに染まるボスポラス海峡。







ship
↑停泊していた船。







ship2
↑豪華客船のようだ。







sulaiman
↑夕焼けとスレイマニア・モスク。







sepia
↑橋とスレイマニア・モスク。







fishing
↑イスタンブールの休日。







city
↑イスタンブールにはセピア色が似合う。それもアフガニスタンとの共通点だ。


 猫、かもめ、霧。イスタンブールの街は暗示に満ちている。午後16時30分頃には、朝出発したエミノニュ駅まで戻ってきた。 ボスポラス海峡の夕焼けも綺麗だが、イスタンブールの街とセピア色の相性も非常にいい。 はじめて来たのだけれども既に懐かしいような感じがする街というのはそれほど多くないだろうけど、 カブールと似た所があるのかなと思ったりした。

 その後、新市街側にあるガラタ塔から夜景を撮りたかったので、トラムで一駅進んで登ってみた。 トルコでもイード休暇だったので家族連れで来ている人が多く、ものすごい混雑だった。 面倒だったので写真だけ撮って降りて来た。

galata

↑ガラタ塔







night
↑ガラタ塔の上から撮った夜景。


 写真を撮ったらスルタンアフメット駅まで戻って、お金を両替。 晩ご飯にドネル・ケバブを食べて、チャイを飲んで夜8時頃に宿に戻った。朝9時から出かけたので疲れた。

 今日は、EUR/ASIAのボスポラス海峡をクルージングできて充実した一日だった。 また、イスタンブールはセピア色の似合う暗示に満ちた街だということもわかった。 驚きはそれだけにとどまらず、 チャイを飲んでいる時にはヒジャブをつけた女性がボーイフレンドと手をつなぎながら歩いている光景を目にした。 これは何とも不思議な光景だ。他のイスラム教国ではほとんど考えられない風景を目にして、 トルコはイスラム教国の発展の好例になり得るのかどうか考えさせられた。

 トルコが経済的に発展している事の原因を求めると、 政教分離国家(secular state)であるということは大きな理由を占めているように思う。 トルコのイスラム教は柔軟に解釈されているし、イスラム共和国ではないので信教の自由も保障されている。 自由であるということ。それは反対に言えば、 運命から解き放たれているということだ。 それは人生というものが自分よりも大きな何者かによってあらかじめ定められているという考え方ではない。 自由はあらゆる可能性を提供する。発展する事も荒廃する事も、国民の選択次第だ。 一人の人生をとってみれば、あらゆる局面で自分の頭を使って選択をしていかなければならないという、 ある種の重荷を背負うことでもある。しかし、自由には可能性への余地がある。

 トルコのようなシステムは、サウジアラビアやイランを主体とするイスラム世界からの反発は強いかもしれない。 サウジアラビアやイランでは宗教指導者が強い力を持っていて、衆生の人々はその枠組みから逃れられない、 そんな中世的な世界がある。しかし、トルコではそうした力関係からも比較的自由だ。 トルコの将来はイスラム教国がどのようにしたら経済的に発展するのかどうかの目印になるかもしれない。

 トルコを独立に導いたアタトゥルクの思い描いた世界はどのようなものだったのだろうか。



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