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■旅行記

トルコ旅行記

2010年11月18日(木) 第三日目 ハマム、考古学博物館、アヤソフィア

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↑朝のアヤソフィア

 午前8時に朝食を食べて、午前9時過ぎにはホテルを出発した。今日はハマムに行こうと決めていたので、 トラムでスルタンアフメット駅から一駅行ったチェンベリタスにあるその名もチェンベリタス・ハマムに向かう事にした。 今日は快晴で、行き道にあるアヤソフィアも綺麗に見える。

 ハマムがどんなものかはなんとなく知っていたが、それにしても初めての体験なので、どんなものかと楽しみにしていた。 入ってみると受付でコースの選択を迫られる。入浴だけのものと、店員が体を洗ってくれるものと、 オイル・マッサージ付きの3種類のコースがあったが、全てが入っているオイル・マッサージ付きのコースにした。 95リラ(約61.6ドル)だった。

 案内された個室に入ると、与えられたバスタオルみたいなものを腰に巻きつけてから、浴場に向かった。 浴場は全面大理石の歴史のありそうな部屋で、入った瞬間からサウナのように暖かい。 まずは大理石の上で寝転がれとの指示が出されたので、20分間ほど大理石の上で寝転がって、体を洗う順番が来るのを待った。 大理石はじっくりと暖かくて岩盤浴をしているみたいだ。5分くらいしても汗がなかなか出てこないので、 周りにあるお湯を頭からかけて発汗を促す。お湯をかけて大理石の上に寝転がるとじわじわと汗が出始めた。

 しばらくすると店員さんに呼ばれたので、言われるままに横になり、体を洗ってもらった。 途中で垢すりのようにゴシゴシタオルで体をこすられ、巨大なスポンジのようなもので泡をこすりつけられる。 恰幅のいいトルコ人がやられているのを見ると、海岸に打ち上げられたアザラシみたいで滑稽だなと思っていたが、 今正に自分がそのアザラシになっているというのもおかしな話だ。 体を綺麗に洗ってもらうと、浴場の外にある蛇口のある通路に連れていかれて頭をシャンプーされた。 全身が綺麗になったところで、横にある個室のシャワーで体を洗い流した。

 通常のコースだとここまでだが、僕が選んだコースはオイル・マッサージ付きのコースだったので、 シャワーの後にはオイル・マッサージまでしてもらった。ここまで休みなく動き回っていたので、大分体が軽くなった気がした。 今日はオイル・マッサージ付きでもよかったが、 今度来るときはマッサージなしの50リラ(約32.4ドル)くらいのコースでもいいかもしれない。 浴場で横になって体を洗ってもらうだけで、大分疲れは取れるような気がする。

 全部のコースが終わってから自分の服に着替えて外に出た。 たった2時間のハマムだったが、体が軽くなって別世界にいる気分になる。 こんなお洒落な習慣が伝統的に存在しているなんて、洗練されて進んだ文明が昔からあったのだなと思う。

 もうお昼近くになったので初日に書いたポストカードを投函してからお昼を食べた。 汗を流したばかりだがビールを飲みたくなったので、ビールとケバブ定食みたいなものを頼んだ。

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↑スルタンアフメット地区にあるレストランのケバブ定食。

 この後はどうしようかと考えていたが、今日は単なる観光地みたいな所に行く気になんとなくならなかったので、 グランド・バザールという巨大なバザールでブラブラと買い物でもするか、考古学博物館でじっくり歴史を見るか考えた挙句、 考古学博物館に行く事にした。

 考古学博物館は、博物館の建物自体が考古学的な価値を持っているんじゃないかと思う程情緒がある構えをして僕を待っていた。 非常に大きくて全てを細かく見る時間はなかったが、面白い展示が見られた。 中には、ゴールデン・ホーンというボスポラス海峡に至る水路を封鎖する為にコンスタンティノープルが使用した鉄の鎖の一部が展示されていた。 イギリスが海を制して世界を制覇したように、水路というのは軍事上非常に重要な経路だから、逆に言えば、 そこをしっかり押さえておけば敵の侵入を防げるということでもある。圧倒的な質感のある鉄の鎖は、博物館の中でも異彩を放っていた。

 また、ヘレニズム文化の影響が大きかったらしく、ギリシャ人風の男を形取った彫刻が沢山置かれていた。 これらの彫刻を見ながら、パキスタンのタキシラ遺跡にあった彫刻を思い出した。 アレキサンダー大王は現在のインドの西端辺りまで来たのだが、南西アジアまで来ると当時その地域で力を持っていた仏教との融合が見られるようになる。 タキシラには、仏陀が真ん中に配置されて両脇にギリシャ人の男性が立っているという彫刻があり、びっくりした記憶がある。 なんて前衛的で格好いいのだろうとその時は思ったものだ。

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↑考古学博物館にある彫刻。





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↑沢山置かれている。





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↑棺に彫られた装飾。戦闘の様子を描いているのだが、デティールの仕事が細かくてすごい。戦士の目は本当にこれから相手を殺すという意志が感じ取れるほどだ。





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↑棺に彫られた女性の彫刻。

 一通り展示物を見学してから外に出た。疲れたので、インターネットカフェに入って座りブログを更新した。 休憩してから、今度は近くにあるアヤソフィアに向かうことにした。

 アヤソフィアは圧巻だ。元々、キリスト教の教会だったものが、現在ではモスクとして使用されており、 キリスト教のモザイク画とコーランの碑文が組み合わさっているなんて様子を見る事ができる。 一部モザイク画が剥げてしまっている部分はあるが、それでもここに来るだけでイスタンブールの歴史の深さというものを思い知る事ができる。

 しかし、キリスト教とイスラム教が共存しているというのはある意味では当然の事とも言える。 元々、セム系の宗教であるキリスト教、イスラム教、ユダヤ教は同じ唯一神を信じている。 異なるのは預言者だ。キリスト教はイエス・キリスト、イスラム教はムハンマド、ユダヤ教はモーゼがそれぞれ神の言葉を預かったと、 それぞれの宗教で信じられているのだ。だから、アフガニスタンでも、ムハンマド・イサーという男性や、 マリヤムという名前の女性が大勢いる。イサーはイエスのことで、マリヤムは聖母マリアのことだ。 だから、ムハンマド・イサーは「ムハンマド・イエス」と同義なのだ。 他にもパキスタンでは、ムハンマド・ムッサという人にも会った事がある。 ムッサはモーゼの事なので、ムハンマド・ムッサは「ムハンマド・モーゼ」ということになる。 名前に二人の異なる宗教の預言者の名前が入る程つながりが深いのに、キリスト教とイスラム教の間、 イスラム教とユダヤ教の間には計り知れない相克がある。 アラブ世界ではアメリカのイラク侵攻やアファニスタン侵攻を十字軍の再来とプロパガンダで罵る事があるが、 こうした話を知ると近親憎悪の話にも聞こえるから不思議なものだ。

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↑中に入ると天井が高く空間を感じる。





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↑2階から撮影した様子。





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↑モスクの中にいるイエス・キリスト







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↑別のモザイク画。







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↑こういったものがアヤソフィア内部の至る所にある。







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↑キリスト教とイスラム教の共存。







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↑目を凝らすと、通路の上にも教会当時の絵が数多く描かれている。







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↑別の絵。

 アヤソフィアに感動して外に出たらもう午後5時で、これからどうしようと悩んだ。 今日はスロースタートだったので、まだホテルに帰るには早いし、これからベリーダンスでも見に行くか、 買い物にでも行くかなと思って佇んでいると、若いトルコ人の2人組に声をかけられた。外国人に興味があるらしく、 ただそれだけで話しかけて来た若者だった。彼らが去っていくと、また中年くらいの日本語が上手なトルコ人が声をかけて来た。 彼は幼い娘さんと二人で一緒にいて、彼の日本語はネイティブの日本に限りなく近い程のレベルで、 30分くらい話していると近くに友達のレストランがあるから来ないかと誘われたので、怪しい感じもしなかったし、行くことにした。

 僕が宿泊していたホテルから数分の所にあるピザ屋に入ると、やはり彼の友達のやっているレストランらしく、 挨拶などをした後、ピザ、ごはん、羊の煮物、アイランという飲むヨーグルトみたいなものなどが出て来た。 トルコに来て家庭料理を食べるのは初めてだったので、興味深く食べた。味は美味しかったが油が非常に多くて、 その油をアイランの甘さで中和させるような感じだった。これはずっといると太りそうだと思った。

 晩ご飯を食べながら、9歳の娘さんや店主と歓談した。娘さんとは言葉でコミュニケーションを図る事が難しかったが、 持っていたぬいぐるみをお互いに隠して当てっこをするという遊びで楽しんだ。 午後8時過ぎになると、余り邪魔をするのも悪いのでおいとました。

 話していると、このトルコ人のおじさんは日本の映画などにも出た事がある、 日本在住のトルコ人の中では有名な人らしく、奥さんも日本人だということだった。 どうりで日本語が上手いと思った。なんとなく会話が盛り上がって、 何故かわからないが明日は朝9時に地下宮殿の入り口で待ち合わせをすることになった。なんとも世話好きな人だ。



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